2013年インド帰郷3 変わらないもの


2013年12月21日

インドが面白いのは、人のキャラクターが“読めない”こと。

見るからに極悪人らしき目つきの悪いヒゲもじゃの中年男が、全インドに名の知れ渡った人気俳優だったりする。

今朝会った“おっさん”は、ステテコ姿で目の前であくびをし鼻くそをほじりながらワスと私と話をしていた。実は彼は、インド初の仏教チャンネルの創始者である。今や全インドで放映されていて、テレビチャンネルをひねれば仏教関連の番組が見られる。

商業コマーシャルは入れずに、寄付を募る。そのため赤字が続いている。どうすればいいと思うかと聞くので、ダンマワーク(いうなれば社会事業)をしている企業を宣伝すればよいのではないかと伝える。売り方の問題。「私もそう考えていた」とうなずく。

その日の夕刻には、ワスと私は、その仏教チャンネル(The Lord Buddha TV)のスタジオにいた。番組に出演することになっちゃったのである(笑)。台本もインタビュアーの英語もいい加減で、このあたりはインド的(笑)。途中ひとが入ってきたり、誰かのモバイルが鳴り出したりとこのあたりはもっとインド的(^□^;)。

「ババサブ(アンベドカル博士)の著作『ブッダとそのダンマ』の印象は?」

「あなたの僧侶としての活動の目的は何か?」

「仏教が滅びたインドでこれから仏教を広めていくにはどうすればいいと思うか?」

といった質問に答える。

最後に「日本語でインドの人たちにメッセージを」(何言ったか忘れた(笑)。ブッダテレビ見てね、という内容だったか(笑))




そのあと、最初(6年前)にインドに滞在したときに出会った人の家を訪問。

あの頃は、私はこの先の人生をこの地で生きていくのだと覚悟を決めていた。当時の自身のひたむきさ・仏教という新しい道への信頼を思い出した。嫁に行く女性のつつましい心境とはこういうものかと感じたものである(笑)。

インド社会は変わらないし、インドの人々も変わらない。

平気でウソをつく・だますしょうもない人間もいるが、この地で私が知る仏教徒の人々はみなとにかく敬虔で、情熱的で、ひとを信じる。


ただ、大きく変わってしまっていた関係もある。

ひとは、美しく歳を取ることは難しいものらしい。

初めてインド入りした時以来の友人たち

善良なのはむしろ市井の人々だ