今年のおみやげ

毎年インド行きの前には、百均と家電量販店に行っておみやげを買いあさる。

自分のためにはとことん出費を渋る(悩みに悩んで最後は買わない選択をしてしまうほどの)貧乏性だが、インドへのおみやげとなると、やたら悩むうえにけっこうな額の買い物をしてしまう。一年に一度だし、今年の子供たちは今年きりだし(すぐ大きくなってしまうし)。

ノブには電車(電池で走る)と飛行機(ライトが着き音が出る)を、一つに絞り切れずに二つ買ってしまった。

ラケシュとシタルには、3Dジグゾーパズルの地球儀(完成させると球体になる)、ブリタの浄水器、フィルターコーヒー(焙煎豆)、充電池セット。

アスカや近所の小さな子用には遊び道具。この点、日本の百均ショップはかなり優秀。ボール、万華鏡、キラキラシール、飛ばして遊ぶやつ(なんと呼べばいいのか)、お風呂遊具、けん玉etc.

買い込んだものをバッグに詰める。私には、あのコロコロ引きずって歩くスーツケース(と呼ぶのか)が性に合わない。背負って運べない量の荷物はそもそも運ぶべきではないという戒律(?)を自分に勝手に課している。そもそもあんなかさばるものを大量生産して、どう処分するんだ、地球の至るところに旅行ケースの山ができてしまうぞと環境への負荷も勝手に懸念してしまう。

だからずっと背負って歩けるサイズのリュック2つで旅行してきた。一つを背負って、ひとつを前に抱えて、サンドイッチ状態で移動する。2つで20キロ行かない。他の乗客の荷物を空港で見て、その巨大さ・重さに仰天する。よく海を飛べるものだと感心してしまう。

今回も2つ背負ってインドに到着。着いたその日から配り始めるのだが、意外だったのはシタルは化粧が嫌いだということ。せっかく買ってきた(といっても百均だが、それでも日本の百均はあなどれないのであるが)ネイルジェルや爪に貼るシールは要らないと言ってきた。 「シンプルに生きたい」のだそうだ。さすがラケシュの妻。 学校の先生たちにあげることに。

コーヒーがラケシュ夫妻のお気に入り。今回はフィルターコーヒーの作り方を伝授。「コーヒーは、豆を挽くところから始まって、淹れ方にも細かい作法があります。宗教みたいなものです」と、半分冗談で半分本当かもしれない俗説を吹き込みながら実演。

ブリタ(浄水器)と充電池セット(パナソニック)も喜んでいた。頭皮マッサージ用の櫛の長いブラシも(百均で売っているお風呂用品)。

 

毎年必死の思いで運んでくるのだが、あっという間になくなってしまう
動くワンちゃんがアスカはお気に入り


あずかってきたお土産も無事渡しました(ありがとうございました)

風呂場には濡らして貼るアルファベットと九九の壁紙



だが私が持ってきた電動歯ブラシは爆笑だった。インドでは、朝起きた時に口磨きパウダー(アーユルヴェーダ)を指先につけて口の中を磨くだけ。食後の歯磨きという習慣はない。食べたまま寝るそうな。それでもラケシュの歯は真っ白。昨年94歳で亡くなった父親も、最後まで歯は丈夫だったとか。

インドでは15年前まで歯医者など誰も知らなかったという。最近、ムンバイなどで歯科医が増え始めた。人々も食後の歯磨きを1日に2,3回するようになった。なんとそれから虫歯を患う人々が急増し始めたのだそうだ。

もともと虫歯菌がいない国らしく、歯磨きの習慣がなかった。歯磨きするようになって虫歯が増えだしたというのは、興味深い。日本でがん検診をやり始めて以降がん患者が増え続けているというのと似た構図があるのかないのか。

ラケシュが、インド人御用達のアーユルヴェーダ歯磨き粉(口磨き粉?)をくれた。試してみよう。



学校にお土産を持って行く。ボールとかバネで飛ばすスクリューとかフラフープとか。

毎年けっこうな量を持ってきているつもりだが、昨年あげたものは全部跡形もなく消えていた。ラケシュによれば、1か月で全部(奪い合っているうちに)壊してしまうのだそうだ。

今回もそれらしいリアクションが。ふさわしくない喩えかもしれないが、難民キャンプに食糧を持ち込んだかのような奪い合いが。譲り合いの精神はゼロ(笑)。

朝8時に職員室からおもちゃを私が運び出して、それを子供たちが奪い合うというのが、毎年この時期に見られる光景である。今年も再び。


われ先にと奪ってゆく
 
 
朝礼までわずか5分でも夢中で遊べることがすごい
(子供の頃は学校の中休みもすごく長く感じたことを思い出す)




2025年1月下旬