4年ぶりにインドに来て、あらためて感じた日本との違い。今回は、かつて以上に違いがくっきり見えた気もする。
まずは空気。遠方まで白く霞んでいる。排ガスと石炭発電と各家庭で燃やすゴミの煙と。焼き畑はこの地では少ないが、ゴミは日夜至るところで燃やしている。ポリもプラも可燃も不燃も関係なし。ダイオキシンや有害物質という概念さえ、この地には存在しない。
全インド数億の世帯が、日夜勝手にゴミを燃やすのである。もし日本で4800万世帯が野放図にゴミを燃やしたら、明らかに空は白く濁るだろう。その数十倍のスケールで煤煙を上げ続けているのだ。喉がさっそくいがらっぽくなった(可能なら酸素ボンベを持参したい気分)。
ムンバイの午後の空 このスモッグの底で暮らさねばならない‥‥
村ではゴミ収集車が回るようになった
2年前からという 画期的 いつか焼却場を作ってもらいたい
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もうひとつの違いは食事。インドに来て、さすがに消化器だけは老いを感じなくはなかった。すべての食事が重い。消化に時間がかかりすぎる。獲物を丸のみした蛇さながらの心境になる。かつては、多少はおいしいと感じたものだが。
理由は、油と砂糖だ。いずれも極端なのだ。日々の献立も、ノンベジの家は肉だけ、ベジの家は野菜だけ。組み合わせという発想がない。そうした家々に招かれる私は、肉か野菜いずれを黙々と食べるほかない。
さらに重いのは、小麦を練って焼いたチャパティ。小麦を練って丸めて焼いた、一見ジャガイモ風の小麦粉のカタマリみたいな料理もある。それを夜九時前後の夕食で出される・・・。
過酷な農作業に堪えるための炭水化物フルコース。体を動かす機会がほぼない私の場合は、体内で糖質と化し、血管を傷つけまくるであろう。 この地で糖尿病がきわめて多い理由は明らかだ。砂糖と油の摂りすぎ。だが改善という発想はほぼない様子。
インドに来て5歳くらい老化した気がする。今回強く感じたのは、空気と食事――前者がクリーンに、後者がライトになってくれたら、夢のように快適な滞在になるのだが。遠い未来には、そんなインドになっているのだろうか。
インドの食事ラインアップ
朝7時過ぎのチャーハンとジャガイモ
両方、油こってり入ってます・・・
これはランチ 野菜なし 左上にあるのがチャパティ
この後「お替わり攻め」との攻防開始
枝豆ご飯をリクエスト(数少ない安心して食べられるメニュー)
左は「揚げ卵」(ゆでるのではなく油で揚げる。しかも辛い)
油こってり焼きそば これも朝食・・・
野菜料理 これも油料理 ご飯とチャパティが両方つく
わりと定番の夕食メニュー
一番上に見えるのは鶏肉料理(油)で、左が揚げ物
グーグル翻訳のおかげで「お粥」を説明することに成功 左は炒り卵(油少なめ)
月面着陸の成功と同じくらいの偉業です・・(涙)
2024年2月